マスコミ報道から : 額賀財務相が財政演説 消費税率引き上げに意欲(08年1月19日、毎日)
額賀福志郎財務相は18日午後、衆院の本会議で、08年度予算案と07年度補正予算案提出に伴う財政演説を行った。財政状況について「国・地方合わせた長期債務残高は08年度末には778兆円、国内総生産(GDP)比で148%になると見込まれ、主要先進国の中で最悪の水準」と指摘し、財政健全化に向けた徹底的な歳出改革の必要性を強調した。
一方、社会保障などの安定的な財源として「消費税を含む税体系の抜本的な改革について早期に実現を図る」と表明し、消費税率引き上げに意欲を示した。 08年度予算案と関連法案は「年度内成立がぜひとも必要」と指摘。「ねじれ国会」を念頭に野党にも協力を求めた。 マスコミ報道から : 消費税改革に意欲・首相施政方針(08年1月18日、時事通信)
福田康夫首相は18日午後の衆参両院本会議で、初の施政方針演説を行った。首相は、今年を「生活者や消費者が主役となる社会」へのスタートと位置付けた上で、各府省に分散した消費者行政を統一的・一元的に推進するため「強い権限を持つ新組織を発足させる」と表明した。「消費者庁」の設置を念頭に置いたもので、同時に「消費者行政担当相」を常設する考えも示した。
首相は演説の冒頭、今国会に臨む基本姿勢として「与野党の信頼関係」を重視し、「野党の意見も積極的に取り入れながら責任ある政治を遂行する」と宣言。政権の基本方針に(1)国民本位の行財政への転換(2)社会保障制度の確立と安全の確保−など5つを掲げた。 国民の不信を招いた年金記録漏れの問題では、「私の内閣で解決するよう全力を尽くす」と約束。その一方で、国民各層からなる「社会保障国民会議」を設置し、「社会保障のあるべき姿や政府の役割、負担の仕方」などを議論する意向を示した。安定した財源確保のため「消費税を含む税体系の抜本的改革について早期実現を図る必要がある」として各党間での協議も呼び掛けた。 マスコミ報道から : 首相、消費税上げも視野 社会保障見直しへ意欲(08年1月16日、朝日)
福田首相は15日、臨時国会閉会を受けて首相官邸で記者会見し、社会保障を支える財源について「他の先進国においては消費税とかでやっているケースが多い。その方法が良いからやっているのではないかな、という感じは持っている」と述べ、月内に立ち上げる社会保障国民会議の議論などを通じ、消費税率の引き上げも念頭に、社会保障制度のあり方を抜本的に見直す考えを示した。年金記録問題の解決にも改めて意欲を示した。
首相は社会保障制度について「高齢化が進み、サービスの低下が起こらないかどうか。(年金の)費用をどういう形で負担するのか。消費税なのか、税金なのか、ほかに保険なのか、考えなければいけない」と述べつつ、消費税の利点に言及。09年度までに基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるにあたり、今秋に最終報告を打ち出す同国民会議の議論を通じて、年金財源を含む社会制度のあるべき姿を打ち出すことに意欲をにじませた。 一方、年金記録については、「間違いなく、この問題は解決しなければならない。そうしなければ年金制度は崩壊する」と語った。 3月末で期限が切れるガソリン税の暫定税率については「日本のガソリンはほかの先進国に比べるとかなり安い。環境問題を考えた場合、果たしてガソリンが安い方がいいのか」と税率維持に理解を求め、租税特措法改正案の年度内成立に全力をあげる考えを示した。 解散・総選挙については「景気や国民生活に影響を与えることがあってはならない。そう簡単に解散してはいけない」と述べ、早期解散を改めて否定した。 マスコミ報道から : 年金財源は消費税アップで(08年1月8日、産経)
自民党の伊吹文明幹事長は7日午後の記者会見で、平成21年度に予定される基礎年金の国庫負担割合の引き上げ財源について「すべての人がもらう基礎年金の国庫負担分は、すべての人が公平に負担する消費税によるべきだ」と述べ、消費税率引き上げにより賄うべきだとの考えを示した。その上で、消費税問題などに関して「これからの経済情勢、財政運営を見ながら、福田康夫首相が提唱した社会保障国民会議で議論していただく」と語った。
マスコミ報道から : “消費税増税は不可避” 御手洗経団連会長が表明
日本経団連、経済同友会、日本商工会議所の経済3団体の首脳は7日午後、都内のホテルでそろって恒例の年頭記者会見を行いました。基礎年金の国庫負担割合引き上げが迫っている点を念頭に、経済同友会の桜井正光代表幹事は「真に長持ちする年金制度改革の中で、消費税の扱いを考えるべきだ」と、社会保障制度「改革」と一体で消費税増税を検討すべきだとの考えを表明。経団連の御手洗冨士夫会長は「(日本の税制は)直接税に偏り過ぎており、消費税上げを真剣に考えざるを得ない」とし、増税は不可避との見解を強調しました。一方、日商の岡村正会頭は「短絡的に年金財源を消費税に置き換えるのは避けるべきだ」などと、引き上げ時期や幅について重ねて慎重な議論を求めました。 衆院解散・総選挙の時期は、桜井代表幹事、岡村会頭とも明示を避けましたが、御手洗会長だけは「少なくとも(7月の)北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)までは政治空白をつくる余裕はない」と述べました。
マスコミ報道から : 「日経」が消費税上げ提言、年金財源企業の負担減主張(08年1月8日、赤旗)
日本経済新聞は7日、「基礎年金の財源を保険料から全額消費税に置き換える」ことを提言した同新聞社の研究会報告を発表しました。当面は、「消費税率引き上げ幅は5%前後」と明記。その後の上げ幅は「国民の選択」としながらも、「さらに上げざるを得ないとみられる」と将来の税率アップは不可避との立場を示しています。
一方、基礎年金の保険料は、国民年金、厚生年金ともに廃止するとしています。これにともない、現在、企業が負担している厚生年金保険料・年間3兆7千億円がなくなります。提言でも「企業部門はこの分が負担減となり、家計部門の負担は増す」と認めるほど露骨な企業優遇の内容です。このため提言では、「企業負担軽減分は非正規労働者の厚生年金加入拡大」にあてるとしましたが、具体策は明示していません。 また、提言では、「与野党は年金制度を政争の具とせず」「超党派で真摯(しんし)に議論し、制度改革の合意形成を」と主張しています。 論説委員会と東京本社編集局が主体となる「年金制度改革研究会」を昨年9月に発足させ、議論し報告をまとめたものです。経済財政諮問会議議員の八代尚宏・国際基督教大教授らから意見を聞いたとしています。 年金財源を消費税アップでまかなうという提言を新聞社としてまとめ、1面トップと見開きページで大特集するのは、きわめて異例といえます。 マスコミ報道から : 経済3団体共催2008年新年祝賀パーティ後の共同会見における御手洗会長発言要旨(08年1月7日、日本経団連HP)
【消費税率引き上げについて】2011年のプライマリーバランス黒字化を必ず実現し、さらに、2010年代半ばにかけて、債務残高対GDP比を安定的に引き下げていく必要がある。このため、歳出面において、「基本方針2006」ならびに「基本方針2007」に則って、最大限の歳出削減を行っていかなければならない。それを前提に、歳入面での手当ても行う必要がある。増加を続ける社会保障費を賄う安定的な財源の確保が最重要課題である。公的年金の国庫負担率の引上げが予定されている2009年は間近であり、待ったなしの状況だ。早急に抜本的な税制改正の討議を進め、消費税率の引き上げについて、国民全体のコンセンサスを形成する必要がある。
マスコミ報道から : 社会保障の安定財源確保、税制の抜本改革が必要=財務相(07年12月27日、朝日)
額賀福志郎財務相は26日、日本経団連第61回評議委員会であいさつし、今後の財政再建や拡大する社会保障について「安定した財源を作りあげていくために消費税を含めた抜本的な税制改革を考えていかなければならない」との見解を示した。
そのうえで額賀財務相は消費税を含めた抜本的な税制改革に関して「タイミングをよく計っていかなければならない」と指摘。「その時々の金融情勢や世界のマーケットの中で日本の経済がどうなっていくのか、それだけの負担に耐えることができるのか、そこをきちっと見極めたうえで抜本的な税制改革を行っていかなければならないと思っている」と述べた。 マスコミ報道から : <民主税制大綱>消費税の対応で与野党接近 税率論争に注目(07年12月26日、毎日)
民主党税制調査会(藤井裕久会長)が25日まとめた税制改革大綱は、消費税を社会保障目的税と位置づけ、将来的に税率引き上げを検討する方針を打ち出したのが特徴だ。消費税をめぐっては、与党税制改正大綱も「社会保障の主要財源」と位置づけており、これについては自民、民主両党が歩み寄る形となった。09年度の基礎年金の国庫負担引き上げが迫る中、消費税を軸に必要な財源をどう確保するか−−などをめぐり、与野党の政策論争が注目される。
政府・与党は基礎年金問題へ対応するため、消費税率引き上げを念頭に、近く「社会保障の在り方を検討する国民会議」を設置する。福田康夫首相は「半年ぐらいかけ、取りまとめをしてもらおうと思っている」と述べ、08年中には財源確保に道筋をつける考えを示唆した。現在、政府がメンバーを選定中で、民主党にも参加を呼びかけているが、小沢一郎代表は参加しない意向を表明している。 民主党は今回の大綱でも7月の参院選の公約通り、当面は現行の消費税率5%を維持する方針を示しているが、05年9月の衆院選では当時の岡田克也代表が社会保障財源として消費税率を3%引き上げるべきだと主張した経緯がある。党内の一部には「現行の5%で社会保障制度を本当に維持できるのか」と、大綱を疑問視する声もある。政府・与党は、揺れる民主党内の事情を見込んで国民会議への参加を呼びかけており、今後の民主党の動きが注目される。 マスコミ報道から : 消費税増へ「橋渡し」、来年度予算政府案を決定、社会保障2200億円圧縮継続(07年12月25日、赤旗)
福田内閣は24日、2008年度予算政府案を閣議決定しました。社会保障費の伸びは今後も毎年2200億円ずつ圧縮し続けながら、消費税増税へ「橋渡し的な位置付け」(額賀福志郎財務相)をした予算案です。
国と地方の借金(長期債務残高)は08年度末で776兆円程度まで膨らむ見込みです。 借金は1990年代に急膨張しました。アメリカの外圧を受け、相次いで大型公共事業中心の「経済対策」を実施してきた結果です。 小泉内閣以来の「構造改革」のもとでも、自民・公明内閣は、生活密着型の公共事業を厳しく抑制する一方、大型公共事業は温存し続けてきました。来年度予算案で、公共事業関係費は対前年度比3・1%減ですが、スーパー中枢港湾などの大型公共事業は軒並み増額。一方、地方港湾や住宅、下水道のための予算は削減しています。 大企業や大資産家に対する数々の減税策も、税収の空洞化を招き、「財政危機」に拍車をかけています。 80年代半ばには43・3%だった法人税の基本税率は、段階的に引き下げられ、現在30%になりました。所得税の最高税率も、段階的に引き下げられてきました。 自民・公明両党は08年度税制「改正」でも、研究開発減税の拡充や減価償却制度「見直し」など、いっそうの大企業減税を提起。証券優遇税制の一部温存・拡充など資産家減税も維持しようとしています。 「聖域なき防衛関係費の見直し」を掲げながら、08年度予算案でも5兆円規模の軍事費が維持されました。 海外派兵型装備の拡充に伴って膨れ上がってきた軍事費。来年度予算案でも、海外展開可能な次期哨戒機の調達経費を計上。在日米軍再編経費も大幅増額し、在日米軍への「思いやり予算」も、2083億円とわずか90億円の削減にとどまりました。 「聖域」にメスを 共産党が主張 福田自民・公明政権は「社会保障財源」や「財政再建」を口実に、消費税増税へ「橋渡し」しようとしています。 日本共産党は、浪費をなくし、ゆきすぎた大企業・大資産家減税と軍事費の「二つの聖域」にメスを入れれば、消費税増税なしで、社会保障の財源を生み出し、財政再建の道も開けると主張しています。 税収53兆5540億円 福田内閣が24日決めた2008年度予算政府案は、予算全体の規模を示す一般会計総額が、07年度当初予算比0.2%増の83兆613億円となりました。2年連続の増額です。一般歳出は総額で、同0.7%増の47兆2845億円となりました。 大企業は空前の利益を維持しているものの、原材料費の高騰や経済の先行き不透明感の高まりをうけ、税収は53兆5540億円(対07年度当初予算比0.2%増)にとどまりました。 福田内閣は、「骨太の方針2006」に基づき、2200億円に及ぶ社会保障の自然増圧縮を08年度予算でも実施。こうした歳出削減の結果、国債の新規発行額は、25兆3480億円と4年連続で減額となりました。 |