消費税廃止各界連絡会
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マスコミ報道から : 「骨太09」を正式決定 膨らむ社保費、消費税頼み(09年6月24日、産経)

 政府は6月23日、麻生内閣で初となる経済財政運営の指針「骨太の方針2009」を正式決定した。社会保障費の自然増分を毎年、一律に抑える歳出管理の手法を事実上放棄する一方、11年度以降の消費税増税を可能にする税制抜本改革の道筋を示す「中期プログラム」の具体化を明記。国民負担を求めるシナリオを描いている。
 「骨太09」を受けて、財務省は10年度予算の大枠にあたる概算要求基準(シーリング)の策定作業に入る。
 ◆増額要求広がる?
 国民の安全・安心の確保するため、「社会保障の必要な修復をする」とした「09骨太」は、「昨年度と異なる概算要求基準を設定する」と強調。10年度予算で、社会保障費の自然増分を07年度から11年度までに1兆1000億円(年年2200億円に相当)を抑える方針が撤回される見込みとなった。
 社会保障費の抑制は小泉内閣最後の「骨太06」から引き継がれ、歳出改革の象徴だったものの、衆院選を控え、与党内で強まった撤回要求に政府側が応じた形だ。今後、公共事業費など他の予算の増額要求に広がる可能性が大きい。
 政府が最優先課題とする「経済危機克服」について来年度予算編成では、若年層への職業訓練などを通じた雇用対策に重点配分する。低炭素社会に向けた多年度にわたる民間投資刺激のほか、アジア規模の成長基盤の構築に貢献するため、人材交流やインフラ整備面の予算も強化していく。
 社会保障費を節約する一環として、財務省は安価な後発医薬品の普及・拡大を推し進める。それによって浮いた財源を別の社会保障分野に充てるなどの工夫を通じ、全体の予算の圧縮を図るという。
 ◆にじむ選挙対策
 「骨太06」に掲げられた、11年度までの国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標は断念し、最長で19年度まで先送りする。財政赤字の拡大に歯止めをかけるため、GDP(国内総生産)に対する国と地方の債務残高の比率を2020年代初めに「安定的に引き下げる」ことを目指す。
 これに対し、国民負担となる増税に関しては「中期プログラム」の具体化を通じて、消費税率の引き上げを視野に置いている。
 国民への負担増を求めるだけでなく、「成長力の強化」として期待される経済成長戦略で次世代自動車の需要拡大や太陽光発電の導入の加速、レアメタル(希少金属)のリサイクルシステムの構築も掲げた。
 ただ、衆院選目前のタイミングで打ち出した方針だけに、国民受けを狙う「選挙の看板の色彩が濃い」との見方もある。支持率低迷に対する与党の焦りも背景に、財政健全化など長期的な経済財政運営への覚悟は伝わってこない。