マスコミ報道から : 消費税率を少なくとも10%程度まで上げる必要=自民党財革研(08年6月12日、朝日)
自民党財政改革研究会(会長:与謝野馨前官房長官)は11日、増大する社会保障の安定財源を確保するために、2010年代半ばを目途に、現行5%の消費税率を少なくとも10%程度にまで引き上げる必要があるなどとする提言をまとめた。
現行の消費税を社会保障税(仮称)に改組し全額社会保障給付に充てる目的税化を提言。引き上げ時期こそ明言を避けたが、2010年代半ばに必要となる増税幅に踏み込んだ。
また、引き上げに当たっては、「経済への影響を極小化する観点から段階的な実施も考えられる」としたほか、検討課題として、(1)低所得者の負担増に配慮した軽減税率の取り扱い、(2)格差拡大への対応から、高所得者に対する所得課税の強化や資産課税の強化──を挙げた。地方税に関しても、「地方消費税の充実や地方法人課税のあり方の見直しなどにより、税源の偏在が小さく、税収が安定的な税体系を構築する必要がある」としている。
また提言では、足元の経済情勢が一段と厳しさを増すなかで、「高成長シナリオ(2011年度にかけて名目成長率が3.3%程度に上昇)の達成は困難になりつつある」と見通す一方で、財政健全化の「一里塚」である基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化など財政見通しは「楽観を許されない」と指摘。2011年度のプライマリーバランス黒字化のために政府・与党が定めた歳出改革を継続したとしても「相当規模の要対応額が残る」と危機感を示している。
そのうえで、プライマリーバランス黒字化後の財政健全化目標として「2010年代半ばにおける債務残高対GDP比の安定的引き下げ、2020年代初頭を目途とした利払い費を含む財政収支均衡」を堅持して、歳出・歳入一体改革に取り組むことが重要とした。
提言は秋の抜本税制改革に向けて、問題を直視し正面から取り組む狙いで取りまとめたとみられる。消費税の社会保障目的税化など基本理念は同研究会が2007年11月にまとめた中間報告に網羅されているが、その後の経済・財政情勢は厳しさを増しており、提言でも「責任政党として、社会保障制度を堅持するための安定財源を確保すべく、税制の抜本改革に不退転の決意で取り組むべきである」と、強い政治の意思を求めている。
園田博之座長(政調会長代理)によると、提言内容は12日には福田康夫首相に報告する予定。提言に盛り込まれた税制改革項目は7月にもスタートする自民党税制調査会で具体的に検討される見通しで、歳入改革の議論が近く本格化する。
現行の消費税を社会保障税(仮称)に改組し全額社会保障給付に充てる目的税化を提言。引き上げ時期こそ明言を避けたが、2010年代半ばに必要となる増税幅に踏み込んだ。
また、引き上げに当たっては、「経済への影響を極小化する観点から段階的な実施も考えられる」としたほか、検討課題として、(1)低所得者の負担増に配慮した軽減税率の取り扱い、(2)格差拡大への対応から、高所得者に対する所得課税の強化や資産課税の強化──を挙げた。地方税に関しても、「地方消費税の充実や地方法人課税のあり方の見直しなどにより、税源の偏在が小さく、税収が安定的な税体系を構築する必要がある」としている。
また提言では、足元の経済情勢が一段と厳しさを増すなかで、「高成長シナリオ(2011年度にかけて名目成長率が3.3%程度に上昇)の達成は困難になりつつある」と見通す一方で、財政健全化の「一里塚」である基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化など財政見通しは「楽観を許されない」と指摘。2011年度のプライマリーバランス黒字化のために政府・与党が定めた歳出改革を継続したとしても「相当規模の要対応額が残る」と危機感を示している。
そのうえで、プライマリーバランス黒字化後の財政健全化目標として「2010年代半ばにおける債務残高対GDP比の安定的引き下げ、2020年代初頭を目途とした利払い費を含む財政収支均衡」を堅持して、歳出・歳入一体改革に取り組むことが重要とした。
提言は秋の抜本税制改革に向けて、問題を直視し正面から取り組む狙いで取りまとめたとみられる。消費税の社会保障目的税化など基本理念は同研究会が2007年11月にまとめた中間報告に網羅されているが、その後の経済・財政情勢は厳しさを増しており、提言でも「責任政党として、社会保障制度を堅持するための安定財源を確保すべく、税制の抜本改革に不退転の決意で取り組むべきである」と、強い政治の意思を求めている。
園田博之座長(政調会長代理)によると、提言内容は12日には福田康夫首相に報告する予定。提言に盛り込まれた税制改革項目は7月にもスタートする自民党税制調査会で具体的に検討される見通しで、歳入改革の議論が近く本格化する。