反貧困ネットワークが「消費税の税率引き上げに関する声明」を発表
反貧困ネットワーク(代表 宇都宮健児)は、25日、「消費税の税率引き上げに関する声明」を発表しました。
2011年7月25日 消費税の税率引き上げに関する声明
反貧困ネットワーク 代表 宇都宮健児
政府は、「社会保障・税一体改革」案を決定し、10年代半ばまでに消費税率の10%への引き上げを段階的に行うと政府・与党として決定した。 私たちは、日本社会が、働いても働いても貧困である人々を増やし、あるいは困窮した人々を仕事や住居からも排除し、あるいは生れ育つ家庭によって教育に差があり貧困家庭に育つ子どもたちがまた貧困に陥っている、と指摘してきた。 また、税や社会保障の納付と給付を受けたあとに、高額所得者と低所得者の差がほとんど埋まらず、子どもに至ってはお金持ちの家庭の子はより有利に、貧しい家庭の子はより不利になるという逆の効果をもたらすこと(所得再分配がほとんど機能していないこと)のおかしさを指摘してきた。 その多くの原因が、現在の税や社会保障や教育、そして労働のしくみにあることも指摘してきた。 そしてさらに今、震災後、生活の手立てを失う人々が、被災地で、そして全国で増加している。
こうした現状を踏まえ、法案として国会上程される前に、消費税の税率引き上げに関して、以下のことを表明する。
(1)まず、貧困・格差解消に向け、社会保障改革(機能強化)と税制改革(所得・資産課税の累進性強化)を通じた、所得再分配機能を強化する必要がある。
(2)消費税については、震災復興財源との関係、被災地域や経済への影響、低所得者への「逆進性」などに十分配慮して、拙速な税率引き上げを行わないことを求める。
(3)この点、政府が震災復興財源として、2012年からの5年間、所得税と法人税等の引上げで対応する方向で検討している、と伝えられていることを基本的に歓迎する。復興のためにこそ、人々の生活に対する支援が重要である。
以上
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(2011-7-28 9:35) |
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