抗議声明を発表しました
連消費税廃止各界連は、政府・与党の「社会保障と税の一体改革」の成案正式決定に抗議して、別紙の声明を発表しました。
声明 2011年7月1日 消費税廃止各界連絡会
消費税10%への増税を求める「社会保障と税の一体改革」の 成案決定に抗議する!! 政府・与党は6月30日、「社会保障と税の一体改革」の成案を正式決定した。 成案は、社会保障の安定財源の確保を理由に消費税の税率を2010年代半ばまでに10%へ引き上げるとした。消費税廃止各界連絡会は、消費税の増税には反対であり、国民の反対の声を無視して成案を決定した政府・民主党に怒りを込めて抗議する。 成案は、社会保障と一体の改革といいながら、その社会保障について「自立・自助を国民相互の共助・連帯を通じて支援していくことを基本」に据えるとしている。これは憲法25条に規定された社会保障理念からの後退をねらうもので、断じて容認できない。加えて医療費の負担増、年金給付年齢の引き上げ、生活保護基準の引き下げを言うなど見過ごすことのできない重大問題を含んでいる。 成案は、消費税を社会保障目的税にすることを明確化し、将来的には社会保障給付にかかる公費全体について、消費税を主たる財源にすると明記している。このことは、社会保障を消費税収の枠内に押さえ込むと宣言しているもので、看過できない。 こうした社会保障制度のさらなる改悪と一体に、消費税の増税を提起した。10%への引き上げは、国民一人あたり年16万円もの負担増となり、景気低迷、経営危機のなかで、国民生活は奈落の底に突き落とされてしまう。また、消費税は、大震災から生活・営業再建に立ち上がろうとしている被災者にも重くのしかかる過酷な税金である。そして、日本経済をいっそう疲弊させ、国を上げて取り組むことが求められる復旧・復興の障害になりかねない。 消費税の増税は財界の長年の要求であり、成案が、税制全体の抜本改革と称し、所得控除の見直しなどと合わせ、法人税の引き下げを言明していることからもその狙いは明らかである。使い道にも困るほど資金を蓄えている大企業にさらなる減税をすることは、本末転倒の暴挙である。 いま、国民生活の苦難の解決をはかるためにも、社会保障を拡充することが求められている。しかし、消費税はそもそも低所得者ほど負担が重くなる不公平税制であり、社会保障の財源にはもっともふさわしくない税金である。社会保障のための財源ということであれば、応能負担に基づき、大企業や富裕層にこそ、その負担を求めるべきである。 3月11日の東日本大震災により、被災地ではいまだ塗炭の苦しみを強いられているにもかかわらず、被災地こそ負担が重くなる消費税大増税を政府が決定することは断じて許せない。復興財源としても、消費税等、国民大増税なしの方策を検討すべきである。 成案では、社会保障の充実、効率化を口実に、社会保障・税に関わる共通番号制の早期導入を提起している。番号制は、国民一人ひとりに番号を付けて管理しようとするもので、社会保障制度の利用を抑制し、徴税を強化すること以外に導入の目的を見出せない希代の悪制である。 消費税廃止各界連絡会は、消費税廃止、増税反対一点で運動を強め、消費税増税反対の世論を広げてきたが、成案の実施を阻止するため、これまでにも増して運動を強化することを決意する。
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(2011-7-1 14:41) |
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