マスコミ報道から : 消費増税の必要性示唆 額賀財務相「公平で安定」(07年10月24日、朝日)
額賀財務相は24日、自民党の財政改革研究会(与謝野馨会長)に出席し、2011年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を達成するとの政府目標について「歳出削減をしても実現できるかどうかは、極めて厳しいものがある」と語った。そのうえで終了後、記者団に「(財源として)公平で安定しているのは消費税だと言える」と述べ、消費税増税の必要性を示唆した。
17日の経済財政諮問会議で内閣府が公表した試算を受けたもの。試算は3%の名目成長率と14.3兆円の歳出削減を達成した場合のみ「増税の必要なし」としたが、額賀氏はこうした前提について、高い目標だとの認識を示した。
基礎的財政収支の黒字化をめぐっては、尾身前財務相が昨年12月、目標前倒しの可能性にも言及していた。額賀氏の発言は、足元の税収の伸び悩みなどを踏まえ、増税論議を促す狙いがあるとみられる。
ただ、党内の「増税積極派」には、財務省が先頭に立ってより議論をリードしてほしいとの思惑もある。財革研では、与謝野氏が「財務省の期待がはっきりしない。財政のことを心配するのは一義的には財務省だ。逃げてもらっては困る」と額賀氏に詰め寄る場面もあった。