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マスコミ報道から : 「安心社会実現選挙」に命かける=麻生首相 (09年7月21日、ロイター) 

 麻生太郎首相は7月21日午後、衆院解散・総選挙の決定を受けて会見し、「日本を守り、国民の暮らしを守るのはどの政党か、政治の責任を明らかにする」ため、衆院を解散して国民に信を問うことを決意したと語った。
 衆院選を「安心社会実現選挙」と位置づけ、日本経済を必ず回復させると強調、「自民党の先頭に立って、命をかけて戦う」と宣言した。
 民主党の政策に対しては「財源のないけた違いのばらまき。安全保障に関して極めて無責任だ」と批判した。
 <景気対策の成果を強調>
 麻生首相は会見の冒頭で、衆院を解散した理由について「日本を守り、国民の暮らしを守るのはどの政党か、政治の責任を明らかにするためだ」と指摘。
 昨年9月の政権発足以来、景気回復と国民生活を守ることを最優先してきたとし、日本経済に関しては、世界的な金融・経済危機のなか、半年で4回の予算編成に取り組み「政局より政策を優先し、経済政策に専念してきた」と説明。その結果、「ようやく景気回復の兆しが見えてきた」との認識を示すとともに、株価も回復し「企業の業績見通しもよくなりつつある」と成果を強調した。
 一方、「中小企業の業績や雇用情勢は依然として悪く、道半ばにある」との見解を示し、「確かな景気回復を実現するまで総理・総裁の任務は投げださない。景気最優先で日本経済を必ず回復させる」と力を込めた。
 <景気回復後の消費税引き上げに言及>
 目指すべき「安心社会」として「子どもたちに夢を、若者に希望を、高齢者に安心を」を掲げ、雇用・老後・子育てに不安のない社会を実現する政策を加速すると指摘。
 そのためには多くの財源が必要になるが、麻生首相は「景気が回復した後、社会保障と少子化にあてるための消費税率引き上げを含む抜本的な税制改革をお願いする」と、あらためて消費税引き上げに言及。合わせて大胆な行政改革によって「行政の無駄を根絶する」と述べるとともに、「政治の責任を果たすためには、選挙にマイナスになることでも申し上げなければいけない。それが政治の責任だ」と強調した。
 <民主の政策は「財源なきばらまき政策」>
 これに対し、民主党の政策について子ども手当や高速道路料金の無料化などを挙げ、「財源の裏打ちのない、けた違いのばらまき政策」と批判。安全保障政策に対しても、北朝鮮に出入りする船舶を検査する北朝鮮貨物検査特別措置法を「(民主党は)審議に応じず廃案にした。民主党の政策は安全保障に関して極めて無責任であり、不安を感じるのは当然だ」と続けた。
 その上で「財源を伴わない空論に日本経済を任せるわけにはいかない。安全保障政策のまとまっていない政党に日本の安全を委ねるわけにはいかない」とし、「日本の未来に責任を持てるのは自民党だけだ」と自信を示した。
 また、麻生首相は、これまでの自民党内の混迷について言及し、「わたしが至らず、国民に不信感を与えた。総裁として心からお詫びを申し上げる。謙虚に反省し、責任を全うする」と語った。