マスコミ報道から : 消費増税に政権本腰 経済諮問会議「11〜17%必要」(07年10月18日、朝日)
消費税率引き上げが、福田政権最大の政策課題に浮上した。内閣府は17日の経済財政諮問会議で、現在の医療・介護給付の水準を維持するためには2025年度に約14兆〜31兆円分の増税が必要となり、消費税でまかなうなら11〜17%まで税率を引き上げる必要がある、との試算を公表した。町村官房長官や与謝野馨・自民党税制調査会小委員長も消費税率見直しに意欲を示しており、政権として、社会保障の維持とセットの形で、この問題に取り組む姿勢が鮮明になった。
福田首相は17日、諮問会議に先立つ参院予算委員会で、「歳出改革を進めた上で対応しきれない時に、社会保障を削ればいいという話にならない。消費税を含めた税財源についても検討していくことは(安倍内閣時の)6月にも決めている」と述べ、増税論議を急ぐ必要性を強調した。町村官房長官も同日の記者会見で「長い目で見たときに消費税が5%のまま据え置いていられると思っている人はたぶん、だれもいない」と述べた。
与謝野氏は同日の朝日新聞のインタビューで、「大きな税目として間接税を日本社会全体として議論せざるをえない」と話し、消費税率引き上げを念頭に税制改革を進める考えを示した。引き上げ幅や実施時期の見通しには触れなかったが、消費税という名称を「取引高税」などと見直すことも検討課題とした。
福田政権が消費税率引き上げを政権の重要課題とする背景には、年末の税制改正論議を控え、将来の社会保障費の増額に対応できる税制を早期に整備しておきたい、という考えがある。
09年度には基礎年金の国庫負担分を現在の3分の1から2分の1に引き上げることが決まっており、新たな財源の確保は喫緊の課題だ。11年度には国と地方の基礎的財政収支を黒字化させることが政府公約ともなっている。
内閣府の試算は、こうした政府・与党幹部の姿勢を補強するものだ。
試算では、政府が11年度までの歳出削減目標額としている14.3兆円と11.4兆円の2ケースを前提とした。さらに12〜25年度の名目成長率が3.2%と2.1%の場合を想定するなど、計8パターンを試算した。
歳出削減が14.3兆円となり、成長率が高くなるなど、最も楽観的なケースでも、医療・介護の給付や国債の利払い費などにあてるために、25年度には少なくとも14.4兆円の増税が必要で、消費税なら10.7%まで税率を引き上げる必要があるとした。一方、歳出削減が11.4兆円にとどまり成長率も低いなど、最も悲観的なケースでは、25年度に最大31兆円の増税が必要で、消費税率は17.4%が必要という。
福田首相は17日、諮問会議に先立つ参院予算委員会で、「歳出改革を進めた上で対応しきれない時に、社会保障を削ればいいという話にならない。消費税を含めた税財源についても検討していくことは(安倍内閣時の)6月にも決めている」と述べ、増税論議を急ぐ必要性を強調した。町村官房長官も同日の記者会見で「長い目で見たときに消費税が5%のまま据え置いていられると思っている人はたぶん、だれもいない」と述べた。
与謝野氏は同日の朝日新聞のインタビューで、「大きな税目として間接税を日本社会全体として議論せざるをえない」と話し、消費税率引き上げを念頭に税制改革を進める考えを示した。引き上げ幅や実施時期の見通しには触れなかったが、消費税という名称を「取引高税」などと見直すことも検討課題とした。
福田政権が消費税率引き上げを政権の重要課題とする背景には、年末の税制改正論議を控え、将来の社会保障費の増額に対応できる税制を早期に整備しておきたい、という考えがある。
09年度には基礎年金の国庫負担分を現在の3分の1から2分の1に引き上げることが決まっており、新たな財源の確保は喫緊の課題だ。11年度には国と地方の基礎的財政収支を黒字化させることが政府公約ともなっている。
内閣府の試算は、こうした政府・与党幹部の姿勢を補強するものだ。
試算では、政府が11年度までの歳出削減目標額としている14.3兆円と11.4兆円の2ケースを前提とした。さらに12〜25年度の名目成長率が3.2%と2.1%の場合を想定するなど、計8パターンを試算した。
歳出削減が14.3兆円となり、成長率が高くなるなど、最も楽観的なケースでも、医療・介護の給付や国債の利払い費などにあてるために、25年度には少なくとも14.4兆円の増税が必要で、消費税なら10.7%まで税率を引き上げる必要があるとした。一方、歳出削減が11.4兆円にとどまり成長率も低いなど、最も悲観的なケースでは、25年度に最大31兆円の増税が必要で、消費税率は17.4%が必要という。